浮気調査における成功報酬制の実態

浮気調査の成功報酬制は大きく二つに分けられます。

①完全成功報酬制
②成功報酬制

①完全成功報酬制

浮気の証拠が取れなければ調査料金が発生しないシステム。
基本料金や経費は支払わなければならない所もあります。

浮気調査を依頼しようと考えてる方にとっては、「完全成功報酬制」という言葉に魅力を感じるようです。
ご依頼者の目線からは、浮気の証拠が取れなければ調査料金を払う必要がなく、損はしないと思うのでしょう。
しかし、そんなうまい話は簡単には転がっていません。

27年間浮気調査を行ってきた私から見て、「完全成功報酬制」で浮気調査を契約する行為は理解に苦しみます。
ご依頼者自身が尾行などをして対象者にばれてしまったり、浮気相手と月に一度しか会わず、その日が特定できないなどの特殊な理由がない限り、普通に浮気している状況ならば、ほとんど結果はでます。
(その様な特殊な状況では「完全成功報酬制」で依頼を受ける探偵事務所もないと思いますが…)
それなのになぜ、結果が出たら通常よりも非常に多くの料金を払わなければならない完全成功報酬制を選ぶのか不思議です。

はたして、実際にこのようなサービスができるのでしょうか?
ご依頼者の希望があるならばと、弊社でもこの「完全成功報酬制」を採用できるか真剣に考えたことがあります。
結果は「弊社では絶対にできない」という結論に達しました。

一番の理由は、高い調査技術の調査員は「完全成功報酬制」はやりたがらないということです。
そこで、高い調査技術の調査員がどのように浮気調査に取り組んでいくのかお話ししなければなりません。
※ちょっと長くなりますが、「完全成功報酬制」を語るうえで絶対に必要なことなので、じっくり腰を据えて読んでほしいと思います。

調査前の準備

前もって対象者や浮気相手などの情報を把握し、いくつかある住所情報の位置関係を頭の中に入れます。
対象者の行動種類によって、それに合った情報を調べます。(最寄り駅まで徒歩で向かう場合の最短ルート・近くのバス停の位置と行き先など・車で情報住所に行く場合の方向とその状況及び一方通行の状況確認など)
Googleマップのストリートビューで各住所地の様子・張り込み可能位置・各方向の状況などを確認します。

調査初日の準備と張り込み

調査開始前に下見をしたほうが良いと思われる住所情報の場所に行き、対象場所の様子・詳しい張り込み可能位置・各方向の状況などを実際に確認します。
調査開始場所ではさらに詳しく確認。
まず、調査開始場所の階数・出入口・室内の点灯状況・車バイク自転車等の状況などを確認するとともにビデオカメラなどで撮影。
対象者がカーテン越しに外を見ている可能性もあるので、日中はほとんど車での流し撮り。(調査車両を止めることなく走行しながら、調査開始場所の撮影をすること)
対象者の行動種類や調査目的、張り込み可能位置の数と状況から張込場所を選んで張り込み開始。
張り込み中は、調査開始場所だけを見るのではなく、異常なほど周りの状況に気を配ります。
「あそこの家の2階ベランダで奥さんが洗濯物を干しているが、周りを見る様子はないな」とか「後方で子供を見送る奥様二人が立ち話をしているが、こちらを気にしている様子はないな」など・・・
少しでも様子がおかしい住民がいれば、その住民が見ていない隙に他の張り込み位置に素早く移動します。
そしてまた、調査開始場所とともに周りに目を配る状況。
対象者が出るまで、これの繰り返しです。
調査車両で張り込めるのであれば良いですが、入り組んだ住宅街で車が止められなければ立張り(立って張り込むこと)になります。
過ごしやすい気候であればまだしも、極端に暑かったり寒かったりした日には地獄です。私も今まで何度か死にそうになったことがあります。
この様な状況でも周りを気にしなければなりません。住宅街では車が停車しているよりも人が立っているほうが目立つからです。
近隣住民達の警戒によるこちらへの独特な目線。
これが非常に探偵の心に突き刺ささります。
この苦しみは経験しないと分からないでしょう。

張り込みは、近隣住民以上に対象者に対しても神経を使わなければなりません。
対象者が警戒するのは、目的地に向かうために滞在先から出るときが多い為、開始場所が対象者宅の場合、外出した時の対象者の目線に入らない場所が最適な張込場所となります。
しかし、調査初日となると状況が変わってきます。
例え、対象者の写真をご依頼者から預かっているとはいえ、見たこともない人物を対象者と断定するのは非常に難しいことです。
対象者宅の玄関が直視でき、同宅の家族構成を把握しており、対象者と同性の同じような年齢風貌の人物がいなければ、簡単に確認できます。
しかし、そう簡単に行かない場合も多いのです。
つまり、対象者が向かっていく方向で張り込んでないと、対象者の顔が確認できません。
対象者を追い越してから顔を確認する方法もありますが、調査員が徒歩の場合は目立ってしまうのでやめた方が良いでしょう。
勤務先については「意外と難しい、退社時の対象者確認」をご覧ください。

以上のように、色々な状況が折り重なり、苦労しながら張り込みを行っているのです。

尾行開始

対象者が開始場所から出てくるのを確認。
尾行開始です。徒歩で近くのバス停に向かっています。
対象者が警戒するのは、目的地に向かうために滞在先から出るときが多いと記したとおり、この尾行開始直後が慎重を期さなければならない場面となります。

対象者が忘れ物をして急にUターンする場合や、通りを渡るときに後方を見る対象者も多く、この様な時になるべく対象者に調査員が見られない工夫が必要です。
また、近くのコンビニに停車中の車に乗り込んだり、急にタクシーを止めて乗車することもあります。
その様な色々なことをいくつも想定しながら尾行するのです。
人は何らかの行動を起こした場合、必ず理由が存在します。
尾行中は対象者の目線や行動を常に観察し、警戒度やその種類・性格、何をしたいのかなどを読み取るのです。ちなみに、対象者と目が合ってしまうと警戒される恐れがあるため、絶対に避けなければなりません。
その様な対象者の観察と同時に、人通りや交通量などの付近の状況を考えながら対象者との距離をその都度変えていきます。
対象者がコンビニに入る場面や改札を通過するなど、その時の状況が写真1枚でも分かるように撮影を行います。

対象者がバス停に並びます。
対象者がバスに乗る時、車内が狭いことから対象者の視界に調査員が入ってしまう可能性が高いので、調査員はバスに乗らず調査車両で尾行することも多いのです。
この時は、電車の駅ロータリーに停車する場合、一般車が入れない所もあるので注意が必要です。

バスが電車の駅に到着し対象者が降車します。
電車の駅の改札を通過しホームで列に並び電車を待ちます。
この時に一瞬たりとも対象者から目を離してはいけません。
徒歩尾行の時は常にそうですが、対象者から目を離すと一瞬でいなくなります。
多くの探偵がそんな経験をしているはずです。
対象者が電車に乗車しても目を離してはいけません。
電車の場合、対象者の警戒度や性格・乗車位置によって、調査員の最適な乗車位置が決まります。
特に電車内は、対象者と目が合う可能性が高くなるので、靴や服装の一部を見ます。
そして、調査員の吊革をつかんだ腕を利用し、対象者と調査員の目線を遮る工夫も必要です。
対象者が次の駅で降りるそぶりを見せました。(これは一般の方でも想像がつくでしょう。)
電車がホームに入り、もうすぐ停車しそうなとき、調査員は階段の位置を把握します。
対象者と調査員が別々のドアから出た時、階段に向かう対象者とすれ違うことを防ぐためです。

同駅の改札を通過し、ネオン街に入っていく対象者。
あるビルの1階に位置する居酒屋に入ります。
表から店内が見える状況であり、対象者は同性1名が座る4人掛けのテーブルに対座します。
しばらくしてビールが運ばれ、二人で乾杯をして飲み始めます。
同所では車が停車できない為、居酒屋の出入り口を直視しての立張りとなります。
2時間ほどしても二人で飲んでいる状況で、異性が来る様子はありません。
非常に寒い…
呼び込みの男性数名がこちらを気にしており、その視線が突き刺ささります。
しばらくして2名が一緒に退店し、5分ほど歩いた後、雑居ビルの2階に位置するスナックに入ります。
2人は同所に迷うことなく到着し、躊躇なく入店したため、初めての店ではないと推測されます。
同スナックの女性が浮気相手の可能性があるため、調査を続行。
同所も車が止められず立張り。
3時間経っても出てきません。非常に寒い。体の芯まで冷えるとはこのことでしょう。
4時間ほどして同性と一緒に出てきました。
最寄り駅の改札で同性と別れ、対象者は電車で自宅方面。
ご依頼者の情報から、浮気相手は自宅からそれほど離れていない所に住んでいるとのことで、対象者が帰宅するまで調査を解除できません。
自宅最寄り駅で下車し、改札を通過するとタクシーに乗車発進。
調査車両は間に合わない為、調査員も後続のタクシーに乗車します。
そのタクシーの運転手は非常に真面目そうな男性です。
運転手をやる気にさせようと試みるもピンときていません。
直ぐに赤信号に阻まれ見失います。
対象者が乗ったタクシーは自宅方面へ向かっており、調査車両が途中で同タクシーを発見。
しかし、真っすぐ自宅に向かい帰宅してしまいました。

結論

この様な感じの調査はザラにあり、もっと大変な調査も多いのです。
上記の様な調査員の考え方や大変さも、現実はもっと複雑です。
調査員は自分の持っている技術を使い、対象者達に気付かれずに非常に神経をすり減らしながら浮気調査を進めていきます。
その結果、上記のように浮気相手と会わずにご依頼者の求める結果が得られないこともあれば、不貞の証拠を収集できることもあるのです。

つまり、浮気調査は結果までの過程が非常に重要であり、不貞の証拠が取れたのは単なる結果に過ぎないのです。
調査技術の高い調査員が調査を進めていくからこそ、良い結果が生まれるのです。

それなのに、結果が出なかったら0円?
技術の高い調査員を馬鹿にするのもほどがあります。

以上のことからも、「完全成功報酬制」を採用している探偵事務所の経営者や責任者は浮気調査の現場を知らない可能性が高いと考えます。
ちょっと探偵学校に通ってから探偵事務所を経営し、調査は若い調査員にやらせてきたり、今では現場から離れ、調査員の気持ちなどを忘れてしまい、依頼を得ることだけで頭がいっぱいなど。
調査技術が高い人物が経営者や責任者であれば、「完全成功報酬制」を採用したくてもできないのが実情です。

実際に調査にたずさわる調査員についても同じことが言えます。
弊社でもこの「完全成功報酬制」を採用できるか真剣に考えたことがあると述べましたが、この時にそれを可能にする方法がありました。
それは、探偵学校の生徒に教材として調査をやらせ、結果が出たら成功報酬が入るという一石二鳥の方法や、アルバイトに低賃金でやらせるといった方法です。
いずれも「完全成功報酬制」では、調査技術が低い又は無い調査員が浮気調査を行う可能性が高いのです。

そうなるとどうなるのでしょうか?
対象者への調査発覚の恐れが高くなるのです。
これは浮気調査において最も避けなければならないことであり、その理由は主に三つ。

1.不貞の証拠が取れなくなる
不貞の証拠を収集する前に調査していることが対象者にばれてしまうと、浮気相手と会わなくなったり、極度の警戒を見せるなど、調査を進展させることが難しくなります。

2.依頼者が危険
特に依頼者が女性の場合、調査していることが対象者(夫)にばれてしまうと、夫からの暴力に合う危険が発生します。

3.対象者に対応策を練られてしまう
不貞の証拠を収集して慰謝料を請求する場合、水面下で情報を集め、色々と地固めをしてから密かに交渉に移り、対象者又は浮気相手の「家族や勤務先に浮気していたことを知られたくない。」という気持ちを利用し、高い慰謝料を請求することが理想とされています。
しかし、調査が発覚してしまうと、対象者や浮気相手に弁護士を雇われてしまい、対応策を練られてしまうのです。

一見、ご依頼者の利益になりそうな「完全成功報酬制」でありますが、実際は最悪のシステムなのです。

②成功報酬制

調査員のミスにより調査が失敗したら調査料金が発生しないシステム。

対象者を見失うなどの失敗をすると調査料金が貰えないとなると、それを行った調査員にも報酬が入らないことになります。
また調査員が社員だった場合、人件費や経費がかかっているので、会社側も調査員に対して「絶対に対象者を見失うな」と言ったり、失敗したときは強く攻めることになるでしょう。
そうなると調査員は、尾行の際に「絶対に見失うことができない」という気持ちになり、通常よりも対象者との距離が近くなったり、警戒している対象者に対して無理に尾行するなど、調査発覚の恐れが出てきます。
これは浮気調査にとって非常に危険なことなのです。
浮気調査は、対象者が警戒し始めたらすぐに調査を打ち切らなければなりません。
それは、完全に調査が発覚してしまうと、それ以降の調査実施が非常に難しくなるからです。
対象者が「何か尾行されているような気がするな」という半信半疑の状態の時に調査を止めることができれば、少し期間をあけて調査を再開した時は、問題なく不貞の証拠を取れることが多くあるのです。

上記以外にも、このシステムについて単純な疑問があります。
ご依頼者に対して平気で嘘をつく探偵事務所も少なくないというのに、調査員に過失があった時に、はたしてそれを正直に話すでしょうか…

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